映画のサウンドトラック業界に秘められたの美学!

映画は総合芸術と言われます。絵画や小説、演劇など様々な芸術を融合したものが映画となり、音楽もまた重要な要素です。映画音楽はスコアやサウンドトラックと呼ばれて、有名な作曲家も参加しています。今回はいくつかの有名な映画音楽を挙げながら、そこに現れている美学や音楽性を紹介しましょう。

現在、一番の売れっ子と言えるのがハンス・ジマーという作曲家です。彼が参加した作品は「ダークナイト」や「ブレードランナー2049」などハリウッド大作がいくつも挙げられます。よく、クリストファー・ノーランとタッグを組むことで知られる人物です。彼の音楽性はポストミニマリズムと呼ばれるもので、音の動きを最小限に抑えて、パターン化されたメロディを反復させます。例を挙げるなら、SF映画の「インターステラー」の劇伴がそうでしょう。パイプオルガンを使用したミニマルな音型は、宇宙空間を舞台にしたSFの世界観によくマッチしていました。実はこの劇伴には裏話があり、脚本が出来上がる前に曲作りが依頼されたとのことです。ハンス・ジマーは監督から1シーンを渡され、それに基づいて作曲しました。それでいて、あの完成度ですから恐るべきものです。ハンス・ジマーは現代音楽の特徴であるノイズミュージックを多用することでも知られます。そのひとつは「ブレードランナー2049」でしょう。もはや音楽とは呼べないような、がなり音を立てているような不協和音は映画をよく盛り上げていました。

SFというとオーケストラやクラシック音楽が流れるものというイメージがありますが、そのイメージを決定づけているのは二つの映画です。ひとつがスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」、もう一つがジョージ・ルーカスの「スターウォーズ」です。2001年宇宙の旅はクラシック音楽を印象的に用いたことで知られます。特に有名なのは「美しく青きドナウ」や、「ツァラトゥストラはかく語りき」でしょう。キューブリックはクラシックと映画という二つを融合させ、この映画は傑作として知られます。スターウォーズはジョン・ウィリアムズという作曲家が関わっています。彼はルーカス作品やスピルバーグ作品(ジュラシックパークやジョーズなど)に楽曲を提供していますが、オーケストラを使った壮大な音楽で有名です。彼が作曲したサウンドトラックは一度聞けば忘れられない印象を人々に与え、映画音楽の第一人者と言える人物です。ジョン・ウィリアムズのサウンドトラックはキングレコードからいくつか販売されているので、ぜひ聞いてみてください。