ビデオゲームでの音楽の使われ方
ビデオゲームは老若男女問わず、皆がカジュアルに遊べるエンターテイメントです。今では国内外を問わず、多種多様なビデオゲームがリリースされており、日本企業が開発と販売を行うゲームソフトも世界中のゲーマーに評価されています。ビデオゲームを構成する要素は実に多彩であり、大まかに分類するだけでも絵や音楽、ゲームのシナリオやシステム面など、複数の要素が複雑に関係し合って一つの作品のクオリティを決定づけます。
数ある構成要素の中でも、まさに名脇役と言えるのがゲーム音楽です。ゲーム音楽が良い作品は、ライトユーザーから硬派なヘビーユーザーまで大勢のプレイヤーの評価を集めやすいです。人気のビデオゲームはサウンドトラックがリリースされる事が多く、作中で流れたBGMや主題歌、エンディングテーマをもう一度、聞きたいというゲーマーの方々が挙って購入します。長編のRPGゲームはサウンドトラックのディスクが複数枚、前編と後編になる事もしばしばです。
ビデオゲームでの音楽の使われ方ですが、プレイヤーの感情を良い意味でコントロールする事です。例えば、穏やかで平穏に人々が暮らす田舎街では、その雰囲気に合う牧歌的なBGMが背景に流れます。モンスターが突然出現する事はない、ここには罠やシリアスな展開は潜んでいないというメッセージを、牧歌的なBGMは間接的にゲームプレイヤーに伝える役目を持っています。
同じ街のBGMでも、発展した大都市の場合、現代的でモダンなゲーム音楽になりやすいです。魔法の王国や現実離れしたスチームパンクのような街並みだった場合は、更に未来的な雰囲気のBGMとなり、プレイヤーにミステリアスで異質な場所だと間接的に伝える役目を持ちます。
モンスターや敵キャラと遭遇した場合は、激しいゲーム音楽が鳴り響き、ゲームプレイヤーの感情をエキサイトさせます。勇ましい曲調で、激しい戦闘風景を間接的に表現したり、荘厳で恐ろしい雰囲気を演出する事で、プレイヤーに対してなんともいえない興奮や絶望感を届けるのが、ゲーム音楽の役割です。
戦闘シーンの音楽をあえてポップでユーモラスに表現するアクションゲームやRPG作品も、時々あります。難易度が比較的易しい作品は、いわゆる雑魚キャラとのバトルシーンだけではなく、中ボスやラスボスなどもあえてポップなテイストで戦闘BGMを描きます。ライトユーザーに向けて、この作品は気軽に遊んでOKだという、印象を間接的に届けます。